ケガから復帰したとき、多くの方がホッとされます。ですが本当に大切なのは、[[復帰してから、また痛めないこと]]です。今回は、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)としての視点から、「ケガをしにくい身体」をつくる考え方と、ご自宅でできるセルフケアを整理します。
「治す」だけでなく「戻さない」まで
痛みが引くと、つい「もう大丈夫」と元の練習量に戻したくなります。ですが、痛みの原因になった動きの癖や可動域の不足がそのままだと、同じところに負担が戻ってきます。
アスレティックトレーナーの現場では、復帰は“ゴール”ではなく“再発させないためのスタート”と考えます。痛みが消えた後こそ、身体づくりの本番なのです。
ケガをしにくい身体の3つの土台
| 土台 | みるところ | ねらい |
|---|---|---|
| 可動域 | 肩・股関節・足首の動く範囲 | 動きにくい場所を減らし、負担の偏りを防ぐ |
| 体幹の安定 | 姿勢を支える深い筋の働き | 手足の力を効率よく伝える土台をつくる |
| 連動 | 全身が連なって動けているか | 一部に負担を集めない動き方を身につける |
この3つは、どれか一つだけを鍛えても十分ではありません。動く範囲を広げ、それを支える体幹を整え、全身で連動させる——この順番を一つの流れとして考えます。

自宅でできる、はじめの一歩
- 運動の前後に、肩・股関節・足首をゆっくり大きく動かす(反動をつけず、痛くない範囲で)
- 練習後、張りを感じる場所をフォームローラーなどで軽くほぐす
- 同じ姿勢を続けたら、こまめに立ち上がって全身を動かす
自己流で迷ったら、見立てを相談する
「どこを、どのくらい動かせばいいか」は、人によって違います。動画のとおりにやって合わないこともあります。うたたねでは、姿勢や動作を診たうえで、その方に合ったセルフケアをお伝えしています。
ストレッチは、いつやるのが良いですか?
目的によります。運動前は反動をつけずに大きく動かす準備、運動後や就寝前はゆっくり伸ばすケアが向くことが多いです。痛みが出る動きは避けるのが基本です。
おわりに
ケガをしにくい身体は、一度の施術でできあがるものではありません。可動域・体幹・連動を、少しずつ整えていく。その過程を、現場を知るトレーナーとして一緒に伴走できればと思っています。
Author

梶原 康生
はり・灸 うたたね 院長/JSPO-AT・はり師・きゅう師
2003年からプロスポーツ選手の治療・コンディショニングに携わり、2009年に神戸・垂水で「はり・灸 うたたね」を開院。痛い場所ではなく“原因”から見立てるスポーツ鍼灸を行っています。
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